学悠だより
2月号
「生きることほど、人生の疲れを癒してくれるものは、ない」(ウンベルト・サバ)
これは、イタリアの詩人・サバの作品の中の言葉です。詩人は、もう若くない。日々は疲れることの連続、嫌なこともどっさり。しかし、音楽の大好きな人が音楽の疲れを音楽で癒すように、疲れ切ったわが身も「なおも生きる」ことで人生の疲れを癒そうというのです。いかにも、イタリア人らしい前向きで陽気なラテン系のノリではあります。でも、去年あれほどの大震災を経験した今の日本人にピッタリの言葉のようにも思われます。どんなに困難な状況にあっても「生きることを続けよう」、それが「疲労困憊している身を癒してくれるのですよ」と語りかけてくれているのです。
さて、先月の小社主催『学習塾教材展示会』には多数ご来場いただきまして大変ありがとうございました。今年は待ちに待った「中学校教材全面改訂」の年ということで例年以上にお集まりいただき熱気むんむんの大盛況でした。メインの「教科書ワ-ク」をはじめ副教材も表紙から一新し、内容もボリュ-ムたっぷりに様変わりしました。是非ともご検討の上、小社取り扱い教材をご採用賜りますよう謹んでお願い申し上げます。
また、(社)全国学習塾協会 三重県協議会主催『みえ学習塾フェア2012』は例年通り津市の「センターパレス」で関連業者が参加・出展して行われました。今年は201名とこれまでにない多数の来場者で活況を呈しました。
そして、岐阜県では『教育フェアぎふ 2012』が岐阜産業会館で出展企業35社、私学7校が参加して開催されました。当日の岐阜新聞にも県内版の記事として取り上げられ関心が高まったせいか沢山の来場者で賑わいました。
三会場とも熱気が溢れ教育業界は頑張っているのだと実感しました。
通常は中3年の4年ごとの改訂なのですが、今回は現行の指導要領から新指導要領による6年ぶりの大改訂なので教科書も変わりますし、教材も大きく変わります。いわゆる「ゆとり教育」が事実上終了したことで、主要5教科の授業時数も増えますし、学ぶ内容も多くなります。学ぶ生徒も大変ですが、教える先生・講師も大変です。でも、国の根幹は「教育」です。ぜひ、情熱を持ち続けてご指導に当たられることを祈ってやみません。
今年もすでに如月。先生方は高校入試に向けて最後の調整と来る次年度の集客や諸準備でご多忙の日々と存じます。
われわれ教材会社も先に述べた通り、中学教材が新指導要領による全面改訂ということで、ギリギリまで編集製作に全力傾注しました。制約された時間との戦いで、やや大げさかも知れませんが昼夜の別なくの編集作業の日々で、文字通り「汗と涙」で作られた教材群です。
まあ、「それが仕事」といってしまえばそれまでですが、仕事といえば先日こんなことがありました。高速道路の料金所で還暦は過ぎてるように見える係りの人に思わず「ずっと立ちっぱなしで大変ですね」と声をかけたところ、にっこりと笑って「お金を稼ぐというのは何でも大変です」と返されました。何か妙に得心したというかちょっと恥ずかしいというか、とても恐縮しました。きっと今までは別の仕事に就いていたのでしょうが、今は今として、きちんと働いておられるのでしょう。
このように、変わっていく、変わっていけるということは、個体にとっても、組織にとっても、生き延びるためにきわめて重要なことです。
そのことを今から150年ほど前にイギリスの動物学者だったチャ-ルズ・ダ-ウィンが進化論で次のように述べています。「この世で生き残ってきた動物はすべて、強い動物でもない。賢い動物でもない。それより、その時どきの環境の変化に対応できた動物だけが、生き残ってきたのだ」と。150年前にさまざまな動物の生態を研究して学んだダ-ウィンは、時に応じて「変わる」ことが、実は「いちばん強いこと」と教えているのです。今さら「進化論」かよ、などと言わずに、現代人にとってもこの言葉は示唆に富んだ言葉として、受け止めて見るのもいいのではないでしょうか。
余談ですが、先日の「展示会」でご夫婦で来られたお客さまが、帰りがけに「妻が学悠だよりを楽しみに読んでいます」と仰いました。何だか嬉しいような恥ずかしいような気持ちになりました。でも、そうしたお言葉は本当に嬉しく励みになります。今年も精一杯頑張って書きますので、どうぞよろしくお願いいたします。(担当:下平)